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カテゴリ:資生堂ギャラリー( 7 )


2005年 10月 10日

渡辺剛「TRANSPLANT」



期間: 2005/10/04~2005/11/27

渡辺剛は、世界各地にある境界線で隔てられた二つの土地を撮影した「Border and Sight」のシリーズのように、一貫して、人間がかかわることで変容した風景をテーマとしてきました。
2001年、「手探りのキッス 日本の現代写真」(東京都写真美術館)、2003年、旅―「ここではないどこか」を生きるための10のレッスン(東京国立近代美術館)に出品するなど、近年注目を集めている写真家です。

本展では、新作「TRANSPLANT」をご紹介します。「TRANSPLANT」は、プランテーションと街の二つの風景によって構成されています。
プランテーションは、18世紀から19世紀にかけての植民地政策によって生まれた、大規模農園の風景を撮影した作品です。バナナやパームが生い茂る風景を、等身大以上の圧倒的なサイズでギャラリーの大展示室の壁面いっぱいに展観します。のどかな鳥のさえずりや、風の音さえ聞こえてきそうな美しい農園風景は、しかし、人の手を介して原産国より長距離を移動し、新しい環境の中で淘汰と融合を繰り返した植物の姿です。それらの植物はまた、植民地政策の中で、価値観や生活全般の変容を強いられた人々の存在をも示唆しています。

一方の街の風景は、世界各地の移民街や、かつての統治国の痕跡を残す街を撮影した作品です。赤い鳥居と教会が同居するブラジルの日系人居住地、あるいは、かつての統治国であるイギリス様式の建造物を見事にインド化してしまっているカルカッタの街など、異なった文化に出会った人間が、自らのアイデンティティーを守りながら異文化と共存しようとした結果の姿が写し出されています。さらに写真の上には国名を彫ったガラスが重ねられていて、風景と国家の概念を対比させることで意味深い作品となっています。

展覧会のタイトル「TRANSPLANT」は、文字通り「移植」を意味します。本来あるものに異なるものが入ってきた時、拒まれながらも融和していき、やがてはそれがまるでオリジナルであるかのように存在していくという変容が、植物と街の景観と作物である植物を通して見えてきます。そしてその奥には、私たち人間の営みが凝縮されているということを二つの風景は教えてくれます。

渡辺剛の作品は、私たちに自分たちを取り巻く環境や風景を今一度じっくりと振り返り、国家について、民族について、未来について考えるきっかけを私たちに与えてくれることでしょう。


会場: 資生堂ギャラリー
入場料: 無料
時間: 11:00~19:00(11:00~18:00 on evey Sunday and National Holiday)
休館日: 毎週月曜日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
TEL/FAX: 03-3572-3904 / 03-3572-3951
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
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by koso2.0 | 2005-10-10 02:52 | 資生堂ギャラリー
2005年 08月 21日

ECHOES INFINITY 大巻伸嗣個展



期間: 2005/08/23~2005/09/25

 大巻は東京都主催の公募展「トーキョーワンダーウォール2000」に入選して以来、「ECHO」(トーキョーワンダーサイト、2002年)、「MUGEN」(ギャラリーNAF、2002年)、「MUGEN-Field-」(ギャラリーK、2004年)などの意欲的な個展を開催し、注目を集めてきました。2003年に出品したグループ展「Out of the Blue」(トーキョーワンダーサイト)は会期が何回も延長になるほどの好評を博し、大巻のダイナミックなインスタレーションは多方面からの賞賛を集めました。

 本展では2002年発表の「ECHO」を大幅にパワーアップした新作に挑みます。ギャラリーの床一面にフェルトを敷き詰め、その上に顔料を撒いて色とりどりの花模様を描いていきます。この手法は「ECHO」と共通していますが、「ECHO」では花模様が来場者に踏みしだかれ次第に輪郭が擦れていくままにしていたのに対し、今回はフェルトと顔料の種類を変更し、一旦顔料が沈殿したフェルトの上に再び花を描くことができるように改良しました。会期中、希望する参加者の手で顔料を撒くワークショップを行い(予約制)、何度も花を蘇らせます。さらに会場奥の小展示室には、アクリルでカバーをし、花模様を綺麗なままの状態に保つ一郭をしつらえます。「ECHO」が不可逆な時間の流れを表現していたとすれば、今回は何度も再生する生命、そして永遠に生き続ける生命を表しているといえるでしょう。

 本展にはもうひとつの見どころがあります。会場の中空を半透明の布で覆い尽くし、ギャラリー空間を上下二層に分割するのです。展示会場に至る階段中ほどの踊り場からは、布で仕切られた上部の、まばゆい蛍光灯の光が満ち溢れる真っ白い空間のみが見渡せます。そして階段を降りきると、そこは一面の花畑。あたかも天空から下界に降り立ったような感覚を味わうことになるでしょう。
 このように、大巻は展示空間を幻想的で非日常的な空間に異化し、そこにさまざまな解釈ができる寓意を盛り込み、見るものの感性を刺激します。


会場: 資生堂ギャラリー
入場料: 無料
時間: 11:00~19:00(11:00~18:00 on evey Sunday and National Holiday)
休館日: 毎週月曜日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
TEL/FAX: 03-3572-3904 / 03-3572-3951
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
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by koso2.0 | 2005-08-21 22:11 | 資生堂ギャラリー
2005年 06月 07日

mini-max



期間: 2005/06/10~2005/07/31

定兼恵子、佐藤勲、パク・ホンチョンによる三人展のご案内です。
 世代も活躍の場も異なり、制作スタイルや空間の捉え方もさまざまな作家たちですが、三人の作品は共通して、ストイックに限定したいわば単純でミニマル(最小限)な構成要素を集積させることにより、インパクトが強く、広がりのある、マキシマムなヴィジュアル空間を現出させているといえるでしょう。


会場: 資生堂ギャラリー
入場料: 無料
時間: 11:00~19:00(11:00~18:00 on evey Sunday and National Holiday)
休館日: 毎週月曜日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
TEL/FAX: 03-3572-3904 / 03-3572-3951
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
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by koso2.0 | 2005-06-07 02:06 | 資生堂ギャラリー
2005年 04月 03日

椿会展2005



期間: 2005/04/05~2005/05/29

 資生堂のシンボルマークである「花椿」にちなんで「椿会」と名づけられた資生堂主催のグループ展がスタートしたのは1947年。戦争で中断していた資生堂ギャラリーの活動を再開するにあたり、再開記念展として企画されました。以来、時代とともにメンバーを入れ替えながら、半世紀以上にわたって継続し、今日へと至っています。2001年に資生堂ギャラリーのリニューアルにあわせスタートした現在の「椿会展」(第五次)も、今回で最終回を迎えます。

 5年の歳月が流れるあいだに、作家の作風にも変化が見られました。青木は石鹸やブロンズなどの鉄以外の素材に取り組んで見せ、イワタは複数の作品で場を形成するインスタレーション的な表現を試みました。草花や金魚などの具象的イメージを描き始めた児玉はよりいっそう空間との関わりを深め、薄い面で構成する彫刻をつくり続けていた鷲見は一転して豊かな量感をたたえた作品を手掛けるようになりました。世良は複数の異なるイメージを十文字に構成してみせる組作品に取り組み始め、辰野は陰影の強いイリュージョナルな形態からシンプルで平面的な形態へと移行し、堂本は「9.11」以降、極めて精神性の高い静謐な画風へと転じています。少しずつ視点をずらして描いた同じモチーフの連作で見るものの視線のブレを誘発する三輪、そして山本は「たらしこみ」の技法を用いたモノクロームの世界を描き出すようになりました。
 それぞれが、それぞれの問題意識を持ちつつ新作の発表を続けてきた「椿会展」。最終回の今回は、5年間の集大成ともいうべき力作がならびます。


会場: 資生堂ギャラリー
入場料: 無料
時間: 11:00~19:00(11:00~18:00 on evey Sunday and National Holiday)
休館日: 毎週月曜日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
TEL/FAX: 03-3572-3904 / 03-3572-3951
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
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by koso2.0 | 2005-04-03 15:37 | 資生堂ギャラリー
2005年 02月 08日

ローラ・オーエンズ



期間: 2005/02/08~2005/03/27

1970年にアメリカのオハイオ州で生まれたオーエンズは、1994年にカリフォルニア・インスティテュート・オブ・アーツ(通称Cal Arts)を卒業して以来、ロサンゼルスを活動の拠点にしています。オーエンズの描く絵画は、動物、草花、人物といった具象的なものから、幾何学的な要素から成る風景らしき抽象画まで多岐にわたります。チューブから搾り出したアクリル絵具をそのままキャンバスに押しつける大胆な手法をとる一方で、布の切れ端や紙のみならず、木製の舌圧子(舌を下方に圧すのに用いる医療用のへら)やティッシュペーパーなどといった珍しい素材を丁寧に貼り合わせた繊細なコラージュ風のドローイングも制作しています。絵画=平面という概念を根本から覆すような厚みをもつ画風。あるいは、薄い色面を重ねていく透明感のある水彩画。オーエンズは絵画という古典的なジャンルを追求し続けながらも、このようなさまざまな手法で絵画の既成概念を軽やかに超越していきます。中世の刺繍や東洋美術からの影響を指摘され、ミロ、ホックニー、フランケンサーラーといったさまざまな先人との比較で語られることの多い彼女ですが、翻ればそれは、彼女の作品が既知のものをどこかで想起させることはあるにしても、奇をてらう安易な「新しさ」を求めているだけのものではないということを、逆説的に物語っているのではないでしょうか。
また、熊、猿、フクロウが共存する森の風景や、優雅に水上を飛び回るカモメなど、一見牧歌的で楽しげなモチーフに見え隠れする微かな不穏(木々には蜘蛛の巣がはりつき、空にはカモメの影が映るというあり得ない状況が描かれている)が、観る者を惹きつけてやみません。「月並みだけど、花の絵を描いてどこが悪いの?」と語るオーエンズ。「たかが絵画ですもの」*と締めくくる言葉には、素直さと同時にある種の含みがあり、それは甘美なものと毒気が表裏一体に存在する彼女の絵画世界に通じる発言と言えるかもしれません。オーエンズのこれまで描いてきた作品はすべて無題であり、それ故に鑑賞者は彼女の作品を前に、それぞれの自由な想像力を膨らませることができるでしょう。
今回は、これまで欧米でも発表されていない作品を含む大型ペインティングを6点、ドローイングを17点ほど展示する予定です。ペインティングのうち1点は本展のために現在制作中で、展覧会の開始直前までオーエンズが筆を入れ続ける最新作となります。
 
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/current/html/index.htm


会場: 資生堂ギャラリー
入場料: 無料
時間: 11:00~19:00
(11:00~18:00 on evey Sunday and National Holiday)
休館日: 毎週月曜日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
TEL/FAX: 03-3572-3904 / 03-3572-3951
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
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by koso2.0 | 2005-02-08 01:33 | 資生堂ギャラリー
2005年 01月 23日

life/art '04



期間: 2004/12/07~2005/01/30

 今村源、金沢健一、須田悦弘、田中信行、中村政人の5人の仕事を5年間定点観測することで、従来の美術でも工芸でもない新たなジャンルの可能性を問うシリーズ企画展「life/art」(ライフ・スラッシュ・アート)。2001年にスタートし、毎回、ひとりの作家が展覧会のテーマを設定して、他の作家もそのテーマに合わせて作品を制作するというユニークなやり方を続けてきました。第4回を迎える今回は今村源がイニシアチブをとり、他の4作家との共同制作を試みます。

「作家」(=芸術家、アーティスト)と「職人」(=アルティザン)は、ともにものづくりの主体者である点は同じですが、「作家」が自身の創造性を拠りどころとして自由に発想できるのに対し、「職人」は基本的に他者の注文に応じる立場であり発想の主体者ではありません。例えば「作家」が椅子のようなかたちをした(しかし座れない)オブジェをつくることは許されますが、注文主が望まない限り家具職人が座れない椅子をつくることはできません。もしつくったとしたら、それはもはや「職人」の仕事とは見なされないでしょう。もちろんパブリックアートなど「作家」に制作を注文する場合もありますが、この場合は発想も含めて依頼するので、「職人」に発注する場合とは意味合いが本質的に異なります。
 ただし、「作家」・「職人」といった区別は近代化による個人主義の萌芽とともに生まれてきたもので、それ以前にはありませんでした。日本でも明治維新によりヨーロッパから芸術という概念が輸入されてから、このような違いが意識されるようになったのです。つまり「作家」そのものが近代の産物といえるでしょう。

 今村は今回の共同制作を通じて、この「作家性」を問うことを試みます。
 例えば須田悦弘とのコラボレーションでは、話し合いの結果、須田が今村に「机」を発注し、今村は須田に「羊歯」を発注することになりました。須田は今村の机を台座代わりに用いて自作を展示し、今村は須田の羊歯を取り込んだ作品を制作します。後半の作業は作家としての仕事といえるでしょうが、前半の部分は他者の注文に応じて制作する、極めて職人的な作業と捉えられます。ひとつの作品のなかに、作家的要素と職人的要素が混在しているのです。
 金沢健一とのペアでは、初めての映像作品に取り組みました。鉄板を擦って音を出す「振動態」を用いた映像ですが、今村の視点が加わることにより、これまで金沢がつくってきた記録映像とはまったく違うものに仕上がりました。この場合、金沢と彼の作品「振動態」は今村にとっての素材である、つまり今村が主で金沢が従であるようにも見えますが、ある場面では金沢の注文に応じて今村が演じるケースもあり、この場合は主従が逆転します。そもそも映像というアイディア自体がふたりの話し合いのなかから生まれたものであり、作家を作家たらしめる発想のレベルでの共同作業が行われているのです。
 さらには今村が握った「おにぎり」に田中信行が「漆」を塗るなど、今回はひとりひとり個々の作品とは大幅に趣が異なる、4種類のコラボレーション作品がずらりと並びます。これらの作品を通じて、「作家性」「共同性」について考察を巡らしていただく展覧会です。

URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/exh_0412/html/index.htm


会場: 資生堂ギャラリー
入場料: 無料
時間: 11:00~19:00
(11:00~18:00 on evey Sunday and National Holiday)
休館日: 毎週月曜日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
TEL/FAX: 03-3572-3904 / 03-3572-3951
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
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by koso2.0 | 2005-01-23 23:02 | 資生堂ギャラリー
2005年 01月 23日

資生堂ギャラリー

入場料: 無料
時間: 11:00~19:00
(11:00~18:00 on evey Sunday and National Holiday)
休館日: 毎週月曜日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
TEL/FAX: 03-3572-3904 / 03-3572-3951
URL: http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
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by koso2.0 | 2005-01-23 23:01 | 資生堂ギャラリー