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カテゴリ:INAXギャラリー2( 12 )


2005年 11月 27日

大西康明 展 -呼吸星雲-



期間: 2005/12/01~2005/12/24

大西さんの作品は、会場全体を暗闇にして行なうインスタレーションです。それはまるで、洞窟の暗闇の中で、得体の知れない大きな生きものがうずくまっていて、その呼吸に合わせて青い斑点の散らばる胴体がかすかに上下している、そんな光景が出現します。
種明かしをすると、11m×6m×2.4mの会場いっぱいにビニールで出来た巨大袋があり、袋の口からファンで風が送られて呼吸するように膨らんだり萎んだりします。全体に蓄光シールが貼られていて、私達はその微かな煌きによって動きをとらえるというシンプルなシステムです。が、その光景は銀河の大星雲か、深海に潜む巨大な魚が出現したようなリアリティで迫ってきて、私達は暗闇の恐怖と畏怖の中で、見知らぬ生きものの鼓動と同調していくような感覚に包まれます。
大西さんは今年26才になる若手作家です。作品は線や点によるインスタレーションで、鉄でつくった環を材木で覆い、火を放って材木が焼失する経緯と、中から現われてくる同じ形態を対比したインスタレーションや、溶接の火花の瞬間をドラマチックに撮影した写真などから、最近では光の線や点、紐が呼吸するように動く作品へと変化してきました。光や紐がまるで異なる存在物として表出し、私達の既成概念を打ち壊します。視覚や五感を奪われる刹那に、圧倒的な新体験がやってきます。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_12/2_12onishi.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-11-27 02:19 | INAXギャラリー2
2005年 10月 10日

秋廣 誠 展 -動作の比喩-



期間: 2005/10/03~2005/10/27

秋廣さんの作品は、コンピュータ制御のハムスターや、風の吹かない扇風機、目の見える鉄瓶など、まるで落語の世界のような、ふしぎな機能を持ったモノたちです。
「サイバネテックス」は、液晶モニターに映し出されたハムスターが廻し車で遊びます。廻し車の向きによって、左右に会場中を液晶モニターが走って行きます。ハムスターの動きに合わせて液晶モニターに仕組まれた電子制御の車輪が動き回るシステムです。
「家電革命」は、扇風機の羽根を取り除いた部分に液晶モニターが嵌め込まれ、美しい夏の海の様子が流されます。風が全然来ないのに、映し出された涼感のイメージに思わず身を乗り出してしまう習慣から、組み込まれた情報やイメージの存在にハッとさせられる作品です。
「鉄瓶カメラ」は、鉄瓶に光ファイバーで繋がれたデジカメのモニターにその鉄瓶が写っています。光ファイバーがレンズの役割をして、デジカメの中の「網膜」にあたる部分に像を結ばせた、「鉄瓶が見ている光景」です。「網膜」から延びた光ファイバーが鉄瓶の周りの光を拾いにいくことによって、まるで鉄瓶がじぶんのレントゲン写真をもって現れたように感じてしまいます。見えないものは無いようにしか感じられない私たちに、いたずら小僧のように自分の姿をちゃんと見てほしいとあらわれます。鉄瓶がはじめて意思をもってあらわれた瞬間のようです。
秋廣さんは30代の若手作家で、これまでにもこうした写真や映像をモチーフにした独特の作品をつくり、受賞歴もあります。ハイテクをアナログに感受して、ユーモアとペーソスを見せ、私達の魂に触れる深い作品へとつくり上げています。科学の領域に興味を持ちながら、実証性を問う科学に対して、美術による自由な表現を目指しています。最近では、「光ファイバーに人間の神経に通じるものを感じる」と話す秋廣さんは、「見えないものはある、あるものは見えない」と、全身で伝える伝導師のようです。
今展では「サイバネッテクス」など3点の他、「INAX のコーポレートロゴを液晶ディスプレーで立体的にバーチャル鑑賞する」新作1点の計4点を展示致します。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_10/2_10akihiro.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-10-10 02:54 | INAXギャラリー2
2005年 08月 28日

横内賢太郎 展



期間: 2005/09/01~2005/09/28

横内さんの作品は水彩のように滲んだタッチが特徴的な油彩です。モチーフは開いた写真集や画集の1ページ。カラフルなマイセンやウエッジウッドのお皿や有田焼の大壺が描かれているようなのですが、開いたページに光が反射している様が薄墨色の影に塗られ、植物文様もゆらゆらとした曲線で、水槽越しに見ているようです。瞬きをした瞬間、ストップモーションで瞳が外部を認識できるとしたら、こういう風景なのではないかと思わせる独特の視覚世界です。
多湿な気候の日本の風景は、水墨画や水彩画といった水分を多く含んだ描写方法で巧に描かれてきました。横内さんは、織物や洋食器といったヨーロッパ文化の感じられるモチーフをその技法で描きながら、色彩が滲み光が跳ね回り、画面にあるものが動いているかのようにとらえています。かつての印象派が得たような感覚が、圧倒的な視覚の容量を増して現代に甦ったようです。
窓から見える空や雲、真っ白なベッドリネン、テーブルの上の切ったばかりのオレンジの滴るような空気感など、私的な日記や日常生活の一瞬を拡大して描くことも、昨今に多いスタイルですが、横内さんの作品は、モチーフに類似点をもちながら、何層もの空間感や遥かという時間感覚、水中や宇宙の重力の中にある作家自身の感覚が描かれています。横内さんの作品からは、万華鏡のようなまばゆさと、瞬時にかたちを変えてしまう風の流れなどの記憶の感触が伝わって来ます。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_09/2_09yokouchi.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-08-28 23:50 | INAXギャラリー2
2005年 08月 07日

INAXギャラリー特別企画展10daysセレクション -予兆のかたち 7- カトウチカ 展



期間: 2005/08/19~2005/08/29

カトウチカさんの作品は映像です。画廊の窓外に流れる川、画廊の壁一面にも流れる川の映像、別の壁にはボートを漕ぎ続ける人の映像と、錯覚で酩酊しそうな設定の中、観客はぼんやりと本のページが写ったネガプリントを持ってそこに立たされます。まるで濡れないまでも川にはまり、流れる水にたゆたう気持ちになる作品です。カトウチカさんの作品もまた、現在の映像なのに、古い8ミリや16ミリフィルムのように、ゆっくりとした血流のようなリズムが特徴です。
自らが手に持った本(のプリント)が映像の水に浸されていく感覚、掌に水をすくっていくような、自分の肉体の一部が水を孕んでいくような、瑞々しい空気感が充満します。水の映像を通して、見る者がイメージの内外を行き来する不思議な作品です。
カトウさんは、タオルや自分で撮影した写真、白い小さな積み木のようなオブジェ、プッシュピンといった細々とした日常の道具をアトリエのような白い部屋に点在させたインスタレーションや、壁に映る光も作品の一部として撮影した情景の写真など、穏やかな光、強い光、時間や天気の変化を微妙に感じさせる光と、しっとりと水に濡れているような独特の空気感が特徴的な作品をつくってきました。
その活動も個人の作品だけでなく、ユニットを組んでのプロジェクトやワークショップなど、人やものがクロスオーバーした、交錯した関係性のある作品を継続して制作しています。複雑に入り組んだ川のインスタレーションは、そうした背景の多様性もあるのでしょうか、真夏の東京の画廊に清涼感だけでない、ゆったりと深く思いを巡らせるような雰囲気をつくり出します。
栗山さんは大学院に在学中の若手作家で、映像を光と捕えて他の物体に投影させた品や、光源そのものを作品とした、人やものとの関係性を探る作品をつくっています。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_08/2_08kato.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-08-07 20:55 | INAXギャラリー2
2005年 07月 31日

INAXギャラリー特別企画展10daysセレクション -予兆のかたち 7- 栗山 斉 展



期間: 2005/08/01~2005/08/10

毎年8月は、公募によって選ばれた作家による「予兆のかたち」をご覧いただいています。前半は栗山さんの蛍光灯を使ったインスタレーションです。不規則な点滅を繰り返す白々とした蛍光灯が会場の両壁に列をなして設置され、光が消える時の、様々な私達の驚きや恐れのような感情までが、光と音で表現されます。
作品「Life」はコンピュータのプログラムにより、蛍光灯の安定器に電気信号を送り、機械のバグによって偶発的に生まれる現象を使い、切れかけている蛍光管の様子として現したものです。白々とした光の明滅とともに、ジジジ・・・、チラッ、チラッ、などと電気音が発せられます。硬くて薄いものがどこかで割れるような、かすかな音です。音のしそうな蛍光管はレトロな遺物に思えるほど、目の前のパソコンの中もTVの映像も街のいたるところが高機能の光にあふれています。INAXギャラリーからは銀座通りの夜景が一望できます。夕暮れにカラフルなイルミネーションと流行のスモークガラスのビルから透過される淡い光が複雑に折り重なっていく様を見ていると、街とは光が主役なのかも知れないと思えてきます。
しかし、栗山さんの作品は、住宅街の夜道に設置されている、時々切れそうに点滅したり、ジジジという音を立てたり、あるいはのっぺらぼうにあたりを照らす街灯を思わせました。夜の闇の漆黒、視覚を奪われた時の五感の働き方、そんな状況の中で、そこだけ真昼のように明るい街灯は、光そのものが生きているかのように、呼吸をしているかのように感じられます。
私達はネオンやメディアアート、発光ダイオードから赤外線まで、様々な光の表現を体験してきています。そんな中で、今展の誰もが慣れ親しんだ素材と、ローテクとも言える仕掛けが見る者に、少し前の時代の光の記憶を追想させて、イメージを脹らませてくれました。
栗山さんは大学院に在学中の若手作家で、映像を光と捕えて他の物体に投影させた品や、光源そのものを作品とした、人やものとの関係性を探る作品をつくっています。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_08/2_08kuriyama.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-07-31 21:55 | INAXギャラリー2
2005年 07月 01日

下道基行 展 -戦いのかたち-



期間: 2005/07/01~2005/07/27

下道さんは1978年生まれの写真家です。畑の中に忽然と聳え立つ6階建てのコンクリートの廃墟、あるいは海岸際に今にも崩れ落ちそうな細長い窓のひとつだけある建物、道を跨ぐコンクリートの大きな弓形の屋根、往来の少ない広大な舗装道路など、日常風景の中に存在する不思議な建築物の光景を撮影しています。道を跨いだコンクリートの弓形の屋根は、長年緑に覆われて古墳のようであったり、雨を凌ぐ近所の住民の荷物置き場に使われていたり、秘密基地になって子供が遊んでいたりします。巨大な野外彫刻か、壮大な「超芸術トマソン」、路上観察学のモチーフのような不思議な光景です。
下道さんがこうした風景に出逢ったのは、ある時バイトの途中の公園で見つけたコンクリート2階建ての廃墟でした。壁には弾丸を打ち込まれたような無数の傷が残り、説明看板に、太平洋戦争の時に敵戦闘機が打ち込んだ機銃の弾の痕と書いてあるのを読んだ時、極めて平和な風景の中に、こうしたものが数多く残されている事実と、とうの昔に終わったはずの戦争の情景が生生しい現実感をともなって、眼前によみがえってくる錯覚に陥ったと言います。それ以来彼は3年に渡って全国のこうした建物を撮影し続け、その数は200件を数えます。
それらの廃墟の名前は掩体壕(えんたいごう)、トーチカ、滑走路。かつて軍用機を空爆から守る格納庫であったり、兵器実験や発射試験場であったり、今では戦争遺跡と呼ばれているもので、その多くは自治体による保存か排除かの意見が分かれて、そのまま廃墟となっているのです。下道さんの取材は海外へも及びます。オーストリア・ウィーン郊外のナチスがつくった高さ50mのフラックタワーは、現在は内部は水族館、外壁はロッククライミングに使用されています。
戦後60年の世界の戦争の遺物は、今27歳の下道さんの目に不思議な構築物と写り、明るい陽射しと子供の嬌声が響く平和な風景の中で、コンクリートと弾痕の重みを湛えて存在しています。
今展ではスケールの感じられる2m四方の写真約10点でご覧頂きます。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_07/2_07sitamichi.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-07-01 02:02 | INAXギャラリー2
2005年 06月 02日

中瀬康志 展



期間: 2005/06/01~2005/06/28

中瀬さんは80年代から活躍している彫刻家です。鉄や木、陶やFRP、時には民家と素材を選ばない作品づくりはスケールが大きく、いずれもはりつめたラインの美しさと量感が独特です。近年は神奈川県「フィールドワークスイン藤野」での制作と国際シンポジウム(1993~)や、新潟県「妻有アートトリエンナーレ」で劇場の制作(2003)、青森県「国際芸術センター青森(ACAC)AIR(アーティスト・イン・レジデンス)」(2003)など、社会や自然とコラボレーションをするかたちでの活動が増え、その世界が広がっています。
「妻有アートトリエンナーレ」の「儀明/劇場・倉」では、新潟県の儀明という場所の、山の中腹にある古い民家を劇場にリノベーションし、傾斜を利用して花道のような真っ赤なせりだしをつくりました。棚田の緑に浮かび上がる細長い廊下は緊張感に充ち、自然と交感するための神聖な飛び込み台のようで、そこで行われるダンスや文楽に不思議な影響を与えました。またビルの谷間に青い梯子数十台を7mほどの高さに折り重ねるように積んだ「仮設―空」(2003)も、暗い日陰からビルに四角く切り取られた青空へと疾走できそうな開放感を放ち、「消えた風景」(2004)では、高台に船の骨組みのようなかたちが木でつくられ、屹立するラインが空間をシャープに切り取り、清冽な印象でした。
中瀬さんはこのように自然の中で作品をつくるうちに、「つくりたい」という作家の欲望を再考するようになりました。その中で幾つかのキーワードを選び取ります。・量感がないこと ・シンメトリーや構成など彫刻的な要素がないこと ・つくることの傲慢さを捨てる ・存在感を消す。今展の新作品はそうした中から生まれて来ました。1棟1棟手づくりをした(実際には現実の家を500棟以上写真撮影しています。)掌に乗るような小さな木の家が500棟近く、ギャラリーの壁にぐるりと並びます。「家並みがつくりだす線=地平線を人が見る時に感じる、ノスタルジー、家族、平和、内密な世界、情報社会、etcは人の数だけあります。確かに見える地平線。が、人はその場所に到達することはありません。それでも確かに存在する。生や死、絶望と希望、光と闇などの対比する概念の狭間に似て。」と話します。
2004年ACACの「自然との会話-私と自然の新たなる物語」展では、鉄のラインだけで100種類の器型をつくった中瀬さん。器に入れるもの、入れないもの、「器」は「家」でもあり、タイトルに込められた作品への想いは、今展へも繋がっています。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_06/2_06nakase.html

会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-06-02 01:19 | INAXギャラリー2
2005年 05月 03日

青木克世 展 - 白の秘儀 陶の呪文 -



期間: 2005/05/02~2005/05/28

青木さんの作品は、白磁土によるウエディングケーキのようなデコレーションを施した杓杖のかたちや、塔、王冠や祭祀にもちいられる道具のような立体作品などです。5メートルの長さの細い杓杖が空中にぽっかり浮ぶように展示されたり、ほっそりとした建築のオーナメントのようなかたちを屹立させたり、王冠のようなシャンデリアが吊されてあったりと、やきもの素材の特質である繊細さ、壊れやすさを逆手にとった表現です。艶やかな白磁そのものの色彩と、びっしりと表面を覆い尽くす「西洋装飾様式」による過剰なディテールが特徴です。
真っ白さと過剰な装飾に呪術的なものを感じますが、これら青木さん独特のモチーフは個人的な体験から来ています。洋館やドールハウス、少女雑誌のヒロインなど欧米スタイルで表わされた文化で過ごしてきたことが身近な感覚として表われています。一方モダンデザインの横溢している今という時代にあって、青木さんの作品は、私達がいっせいに装飾や装飾的なものをどこか遠くに置き去りにしてきてしまったことを気づかせて、うしろめたさのような感情に触れてきます。静謐な印象ながら、強く語りかけてくるものがあります。
青木さんは、2000年に美術大学大学院の陶芸科を卒業し、2003~2004年に文化庁の海外留学生制度により、ニューヨークにて制作をしました。伝統の浅いアメリカ陶芸に触れ、現代美術や現代陶芸という枠を意識することなく、自由に闊達に自らの価値基準で表現を続ければいいのだと改めて感じたと語ります。
今展では白一色から、青い釉薬でドローイングをしたタイルパネルや、貴族的な馬のモチーフの寓意など、新たな展開が始まりました。これらの展示は、2005年3月にINAX世界のタイル博物館(常滑)で行われた「やきもの新感覚シリーズ」の2会場のスペース(約100平米)で展開されたものを元に、再構成されるものです。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_05/2_05aoki.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-05-03 11:47 | INAXギャラリー2
2005年 03月 06日

中西信洋 展 - 満ち溢れているもの -



期間: 2005/03/01~2005/03/29

中西信洋さんは29才の若手作家で、これまで関西を中心に発表をしてきました。作品のほとんどはインスタレーションで、毎回別人のような多様さを見せます。いずれも鮮烈で完成度の高い作品です。
高さ210cm四方の紙でつくった立方体を蟻の巣のように刳り貫いたもの。高さ200cmの土による楕円や起き上がりこぼしのような円柱による空間構成。「Stripe drawing」は平面作品で、段差や影、反復をモチーフに灰色の線だけで描かれたロールシャッハ・テストのように見えます。「水玉の空洞」は、ガラスやサンドグラスのような透明樹脂の、孔の開いた楕円をいくつも組み合わせ、理科室の実験道具が集積したような清澄で凛とした佇まいがあります。「空白の庭」という作品では、会場の壁におびただしいパルプを貼り付け、様々なかたちの粘土状の染みに覆われたギャラリーは、まるでエイリアンの襲撃を受けた宇宙船の内部のように侵されて衝撃的です。
中西さんは、ごく普通なかたち、何者でもないかたち、日常的なかたちを使うことによって、ものの意味を取り去り、自由に行き来のできる、境界の曖昧な世界を表現しています。ちょうど、映画のマトリックスやターミーネーターのような、物質や感情を自由に出たり入ったりする感覚に似ています。中西さんは、素材を変え、技法を変え、あらゆるものに疾走してつかみとろうとしているかのようです。
今展では35ミリのポジフィルムに、透明な背景で時間をずらして写し取った針金やお茶の葉、ワゴムや胡椒やアイスクリームや焼跡を、それぞれ24枚ずつ重ねたものを3×3の等間隔で整列させて、9台のライトテーブルに乗せてご覧頂きます。また同時に平面作品も展示致します。満ち溢れてくるなにかの気配や、粒子のような物質感を、小さな井戸のような立方体を覗いてご覧いただきます。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_03/2_03nakanishi.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
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by koso2.0 | 2005-03-06 21:20 | INAXギャラリー2
2005年 01月 31日

宮本武典 展 -私とわたしの万華鏡-



期間: 2005/02/01~2005/02/24

宮本さんの作品は、同じ写真を鏡面のように、上下や左右に2枚合わせてひとつの光景をつくる写真です。「Anonymous(匿名)」シリーズでは、バンコク日本人学校の生徒が、緑の森のような背景の前に制服姿で二人写っています。画面全体が黄昏のような黄金色に包まれ、合成ポートレートと知りながらも一卵性双生児と錯覚するほどひとりひとりが存在感を持ち、神秘的で不思議な雰囲気に満ちています。少年の外見、互いに話し出しそうな、同じ意志や気持ちを抱えているような内面までが感じられるリアルな作品です。
作家の宮本さんは現実でも一卵性双生児で、活動は別ですが現代美術の作品を制作している兄がいます。この作品がつくられた2002年頃、二人は日本とバンコクに離れて暮していました。日本人学校の思春期の生徒たちを見ているうちに自分達のナイーブな時代が甦り、側にいるだけで互いの気持ちが手にとるようにわかってしまった親しさ、辛さ、切なさを思い出して制作されました。離れていることで喪失感や何かを補いたいという欲求があったと言います。それは私達の誰もが抱えている孤独感や隔絶感に似ています。
「Antipodes(地球上の正反対の側にある二つの地点)」シリーズでは、植物、家、風景をモチーフとして、線対称に二対ずつ構成した作品を制作します。フィルターの黄金色に包まれた画面には、建売住宅のようにそっくりなニ件の家や、墓地のように並ぶ十字架、切り開かれたような同じかたちの犬が写っています。一見非現実的な光景でありながら、デジャ・ヴュのように感じられます。繰り返されるかたちは、自然界の植物などのもつ規則性、シンメトリーでリズミカルな幾何学形態を連想させます。人知を越えた構造と、懐かしい記憶のようなものが存在する作品です。
今展では写真作品20~30点を中心に展示します。30代の若手作家ですが、見る者を思索へと誘う深い世界をご覧下さい。

URL: http://www.inax.co.jp/Culture/2005_02/2_02miyamoto.html


会場: INAXギャラリー2
入場料: 無料
時間: 10:00~18:00
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX銀座ショールーム9F
TEL/FAX: 03-5250-6530 / 03-5250-6549
Email: xbn@i2.inax.co.jp
URL: http://www.inax.co.jp/Culture/top/2_tokyo.html
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by koso2.0 | 2005-01-31 15:52 | INAXギャラリー2