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2005年 12月 11日

登山 博文 展



期間: 2005/12/12~2005/12/28

図像に対して意味を持たせない。また描くという行為に対しても内的な感情や意味合いを限りなく排除する為、クールで間接的なアプローチの仕方で絵画制作をしていた登山が、今展覧会の制作から思いっきりストレート、真正面、直接的、しかもこちらが赤面するぐらい全身でぶつかっている感のあるアナログなアプローチで仕事をしていました。

直接的ではあるが、内的感情や意味合いの排除は徹底されている。職人技のように積み重ねていく仕事ではなく、一瞬で決まってしまう仕事。その一瞬の為にかける描かないけれど描いている時間。あらかじめ大まかでも着地点を決めて描けば、また着地点が見えなくとも手を動かしていれば自分への安心にもなるであろうが、そこを見事に律する強さが登山博文の作品の潔い美しさとして表れる。

発表は少ない。デビューも現代の東京を拠点にしている作家に比べれば遅いほうだといえるでしょう。自らの作品の完成度に対する眼差しが常人のそれより遠く厳しいところにあるのと、顕示する欲望の薄さ故、そのような結果になっているのだと思います。

マッドサイエンティスト的に(笑)自らの欲する絵画を深く追求し、悠久の時間を許された仙人みたく悠々淡々と取り組んでいる。印象としては探求者。真摯。クール。そんなイメージの登山でしたが、本展での登山を見た方は違うイメージを持たれることでしょう。例えて云うなら。40を手前にした分別のある筈のいい大人が、あろうことかそのあまりの無垢で情熱的な絵画バカっぷりを晒してしまっている。若しくはファンキーでありファンシーだ。とか(笑)

そんな一直線なアプローチの本展を、登山博文という作家を見知った同じく絵を描く同業者たちが見たら・・・。恥じらいなどというものをすっかりどこかに置いてきてしまった彼等のそのスレきった頬さえも、見てはいけないものを見てしまった恥ずかしさに、ポッと赤く染めてしまいかねない、そんな地雷を埋め込んだような大変刺激的でチャーミングな仕事をしています。

今回の登山博文の展覧会は愛すべき絵画馬鹿野郎サマ爆発です。

URL: http://www6.ocn.ne.jp/~g.kaku/toyama.html


会場: Gallery 覚
入場料: 無料
時間: 12:00~19:30
(~15:30 on last day)
休館日: 毎週日曜日・祝日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座2-8-17 中川ビル3F
TEL/FAX: 03-5524-5222
Email: g.kaku@alto.ocn.ne.jp
URL: http://www6.ocn.ne.jp/~g.kaku/

by koso2.0 | 2005-12-11 21:36 | Gallery 覚


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